教育
近年、新人教育の重要性が示唆されており、当部門では臨床面のみならず資質面への取り組みにも力を
入れています。1~3年目の新人に対しては、担当指導者(エルダー)を設けてこれらの指導を直接的に実施しており、4年目以降では、指導する側に立ってこれらを身につけていく環境づくりを行っています。また、キャリアが上がると部署・部門運営等に携わる機会が多くなるため、社会人・医療人・組織人としての自覚や責任を形成していけるような幅広い分野・領域における研修を組み込んでいっています。
新人教育
1年目
〇 OFF-JT研修(週1回・6カ月) 例)接遇マナー、医療・介護保険制度、FIM、動作観察 など
〇 診療参加型新人研修(3カ月はエルダーのサポート・エルダー帯同での介入)
〇 エルダーによるOJT研修(臨床・業務等)
〇 新人ポートフォリオの活用(定期的なフィードバックや課題設定)
<2023年度入職者 Kさんの声>
入職時は右も左もわからず、不安な気持ちでいっぱいでしたが、経験豊富な先輩の介入を間近で見学し、説明していただくことで、臨床や業務で必要な知識・考え方を効率よく学ぶことが出来ていると感じています。定期的な確認や再指導を経て課題の明確化も進んでおり、有効な制度と感じています。
<1年目の流れ>
入職~仮免許 エルダーの患者について見学・模倣での研修を行う
仮免許~3カ月 エルダーの患者について模倣での研修を継続し、単独介入の準備を進める
3カ月~ エルダーと同じ患者を担当し、指示の下で徐々に単独介入へ移行する
6カ月~ エルダーと同じ患者を担当し、指示の下で単独介入へ移行する
エルダー制
当部門では1~3年目の新人に対し、担当エルダー(指導者)を設けて新人教育を行っています。1年目の新人に対しては直接指導を行う場面を多く設けていますが、徐々に受動的から能動的な姿勢に移行していけるよう関与時間を設定しています。2年目からはある程度独立した動きをとっていき、3年目からはエルダーと協働して学んでいけるよう取り組みを進めています。
エルダー制による教育は、エルダーの力量による指導差が指摘されることも多いため、当部門では対策
として「新人ポートフォリオ」を導入しています。エルダーによる指導内容の差を少しでも軽減するために、統一した課題を設けて、エルダー制のサポートツールとして活用しています。
ⅰ.診療参加型研修チェックシート
入職から仮免許が届くまでの期間に臨床実習で行った「診療参加型臨床実習」を模倣した実地研修を行います。指導内容や実技面のスキル等に関する記録を行い、臨床介入の準備を進めていきます。
ⅱ.振り返りシート
毎月の振り返りを新人・エルダー・所属班班長と行います。翌月の課題設定やその結果報告、当月変化した点とそうでない点などを3者で確認しあい、同じ方向性をもってスキルアップを図っていきます。
ⅲ.自覚形成シート
社会人・組織人としての自覚や広い視野を形成することを目的に、先輩や他部門職員の見習うべき言動について、各自で記録してもらい、自身の気付きや学びに役立ててもらいます。入職から3カ月間取り組みを行います。
ⅳ.簡易版臨床能力評価表
PTOTの養成課程においては、臨床実習前後での臨床能力評価が義務付けられました。当部門でも、2・3年目を対象に研修の成果確認や4年目に向けての確認という位置づけで取り組みを行っています。
生涯教育
部門内研修・勉強会
ⅰ.中堅スタッフ研修
中堅スタッフに必要とされるテーマについての研修を不定期で実施しています。
ⅱ.症例検討会
所属部署内において月1回ペースで症例検討会を実施し、臨床思考の確認や助言を行っています。
ⅲ.整形外科勉強会
月に1回、各部署輪番制で担当患者に関する報告を行い、整形外科医による解説や指導を得ています。
その他の取り組み
ⅰ.近隣施設との症例報告・地域連携
隣施設から当院に転院された方の報告を相互に行う等で連携強化を図っています。
ⅱ.福祉用具業者による福祉用具説明会
福祉用具業者より新製品の紹介や試用会等を受け、福祉用具選定の知識や選択肢を増やし患者様の退院支援を図っています。
ⅲ.部門内の所属ローテーション
基本的に医療分野である病院勤務から開始し、リスク管理や回復過程の理解を図った上で介護分野での経験も積み、幅広い領域で活躍できるスキルを身につけていきます。
ⅳ.実習受け入れ
年間を通じて実習生を受け入れており、学生指導の経験を通じたスキルアップを図っています。